●製作手記 雑司が谷霊園(06/8/9〜8/12配信)

8月のうだるような暑さのなか、私を乗せた電車は都電荒川線の雑司ヶ谷駅に到着した。駅から一歩踏み出すと、すぐそこには目的の「雑司ヶ谷霊園」がある。

禍々しい空気に支配されたその霊園に入る前、私の脳裏にはこの数週間の出来事が蘇っていた・・・

心霊寫眞舘113回目の配信は、著名な心霊スポット「雑司ヶ谷霊園」で撮影された奇妙な写真を取り上げた。園内の古木が立ち並ぶ中、薄っすらと顔のようなものが写っている写真・・・

この一枚の写真から放たれる異様な霊気のせいか、特に編集中は集中力を失い、肩が重くなるような現象が常に私を悩ませた。




写真から伝わる死者の匂い。
墓場の寒々しい雰囲気。
他の心霊スポットとは一線を引くほどの強烈な霊気・・・

巷は墓参りの季節。この季節だからこそ判明する事実もあるのではないか?

そう考えた私は、続編として114回目を制作することに決め、投稿者のサトウさんにメールを出した。

私「サトウさんから送られた写真を見せて貰いました。こちらを睨んでいるような、、、スタッフ一同驚いています。宜しければ、投稿メールに書いていただいた以外に何かしらあれば、教えていただきたいのですが。」

サトウさん「見ていただき助かりました。この雑司ヶ谷霊園が心霊スポットだとは知らなかったんです。本当です。散歩してたらお墓で。気がついたら頭とか身体とか痛いし、だるいし。逃げるように帰るときに一枚写真を撮ったのが、今回送った写真です。」

私「サトウさんは霊感等はお持ちでしょうか?」

サトウさん「霊感・・・ですか?霊感というほどではないですが、此処には何となくいるというのは、わかったりしますね。今回も身体が反応しましたし。」

私「もしかすると、この場所がサトウさんを呼びよせた・・・とは考えられませんか?」

サトウさん「・・・どうでしょうか?実は僕も同じ事を考えたりもしましたが。ただ迷い込んだのだ、と考えるようにしてます。恐ろしいので、、、(笑)」

もしかして・・・いま私もこの場所に、この広大な霊園に呼ばれて、ここに来てしまったのか??もしかして・・・これは何かの罠なのか???

蝉が頭上で高笑いを奏で、薮蚊が生き血を求め襲い掛かってくる。
真っ黒なカラスが一同にこちらを見る。不吉な予感に心臓が早鐘を打つ。

「小泉八雲」などの著名人が眠る霊園としての「表の顔」、一方で奇々怪々な霊的現象が噂される「裏の顔」両方の顔を併せ持つ、雑司ヶ谷霊園。
いま、私が見ている顔がどちらかは明らかだ!

灼熱の光りが私を死の国へと導いている。行かなくてはならない。 私は意を決して、足を進めたのであった・・・






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